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【湯草】観察る(みまもる)①② - [同人小説]
2009-08-23
初湯草です。
日本語で書くのがとても難しいが、湧いてきたセリフが全部日本語なので、一応頑張りました。文法の間違いはきっとあると思うが、もし見逃してくれれば嬉しいです。(←「それも愛だ」とかでごまかすな!)
設定は…原作の「ガリレオの苦悩」の時期で、心配性の湯川と鈍感な草薙でした。(笑)
(ドラマの設定とあんまり関係ないが、福山さんと北村さんの面影と声を思いながら書いたもんなので、多少影響はあるかもしれない。)
この二人の出会いから愛し合うまでの話も作りたいが、まずは日常生活から試そう。
もしうまく書ければ、次は長篇に挑戦しましょうか。観察る(みまもる)
一
「コーヒー、もう一杯はいかが」
いつもの休日の午後。いつものんびりでいられる第十三研究室。いつも味のインスタントコーヒー。いつも綺麗になってないマグカップ。そしていつもの優しい声に掛けられた。その声の持ち主の微笑みも、いつもと変わらない淡々としている。
「すまん、気持ちだけは受けとく」腕時計を見ると、もう二時過ぎた頃。「そろそろ行かなきゃ」
「休日なのにどうした。何か仕事でも入ったかい。」残念そうな口調で湯川は聞いた。
「いや、別に仕事じゃないが…」席から立ち上がりながら、草薙はちょっとなんか嫌なことでも思い出したような不甲斐ない顔をした。「…実はね、後から見合いの予定があるんだ。」
「見合い?それはまた華やかな休日だね。」
「からかうなよ。俺は何も期待してないけど。姉が勝手に仕込んだだけさ。」
前も何度もそんな話があったので、相手の不本意さがよく分かってる。でもそういう時を限って親友をからかわないと、湯川じゃなくなる。
「しかし時々不思議と思う…」マグカップを机の上に置くと、彼はいつの間にか真剣な顔になった。「今までの見合い、何の結果も出なかったと君は言ったよね。君はまだ若々しく見えるし、性格よくて世話好きだし、しかも公務員。モテないはずないだろう。」
珍しくこの男の口から褒め言葉が聞かれて、草薙はまるで照れてるように頭を振った。
「いえいえ、どうかなぁ。ぶちゃっけいうと、俺が刑事をやってると聞くと女たちはすぐ引いちゃったよ。」
「どうして。普通なら格好いいとか思うだろう」
科学者は単純でいいな…苦笑しながら草薙は責任を持って社会教育を始めた。
「今時そんな考え方を持つ女性なんかいるわけがない。子供であるまいし。刑事だから急に呼び出されたことは日常茶飯事だろう。そこが気に入らないらしい。しかも所属は殺人事件担当の一課。万が一身に何かあったら、何の価値もない表彰状と生命保険で余生を送る人生になるんだよ。今の女ってさぁ、みんな現実主義者だから…」
でも準教授の思考回路には後の言葉が届かなかった。
焦点が曖昧になってる視線で彼は親友の顔を見つめてた。
「まさか…君の仕事って、命の危険も伴ってるってこと?」
「えぇ?」見上げると、先まで淡々と笑ってる顔が急に曇ってきた。
「僕はてっきり君が聞き込みとか、裏づけとか、取調べとかごく普通な仕事をしてると思ってるが…」
…いやぁ、それはもう十分変わってるよ。心の中にこっそりと突っ込んだ。「むぅ…大体はね。本当は資料整理や報告書きなどのデスクワークのほうが多いかもしれない。」最近は某女性後輩のおかげで、始末書をさんざん書いたことを草薙は思い出した。「一応は殺人犯相手の仕事だから、100%セーフとは言えないが。まぁ、実際のところ今まで銃を持つ犯人と真正面打ち合うことはまだ一度もなかった。東京はそんな物騒な町じゃないから。それに麻薬やヤクザ関係のもほかの課の…おい、湯川?大丈夫?先から顔色が悪いぞ。」
そっちの話こそ心臓に悪いよ。
自覚するわけのない友人を見て、湯川は諦めたようにまたいつもの微笑みを取り戻した。「いえ、別に。案外君も大変だなぁと思うだけさ。それより急がなくてもいいのかい?」
しまった!知らぬ間にもう20分ほどの立ち話をした。
「わりぃ、今度ゆっくり話そう。」
また姉に怒られるかも。慌てて廊下へ走り出す途中、急に何か思いついたように、振り返った。
「コーヒー、ご馳走様。」
「気にするな。いつも歓迎してるよ。」
親友の去った後姿を眺めながら、湯川の表情がまた深刻になった。
二「…えぇ、例のものは見せてもらった…うん、それは違いないと思います…え?はぁ…ではお言葉に甘えて…はい、ご苦労様です。」
受話器を放したとたん、草薙はやっとほっとした。この一ヶ月間自分たちを追い詰めてきた事件の真相がようやく分かった。今日は動機の確かめに容疑者のかつて働いた山奥の民宿に来て、その大事な証拠も見せてもらった。形だけの仕事はまだ沢山溜めてるが、精神的はもうスイッチオフの状態になった。しかもあの間宮のおっさんは「今日は署に戻らなくてもいい」と言ってくれたとは…よほど気が晴れてるみたい。「女将さん、もう一本電話してもよろしいですか」
「どうぞどうぞ、お好きにお使いください」
ここは南アルプスの麓。草薙は今ある二階建ての温泉旅館を邪魔をしてる。よほど人跡がないところなので、携帯が完全に圏外となり、外と連絡できるのは宿の電話しかない。推理小説では何らかの事件と相応しい環境ですが、現実にはただ「自然の懐に抱かれた気分でもある」静かで清らかな場所だ。
よかったら一泊したい気分だが、「明日まだ仕事が残ってる」とすぐ自粛した。今日は自分のスカイラインで来たので、帰りは3時間かかるとしても、午後5時ぐらいは着けるはず。まだ夕食は早いし、コーヒーでも飲んでいこうか。アイツともまた二ヶ月ぐらい会ってなかったから…そう考えながら彼はあるよく馴染んでる番号を押した。
「わかった。じゃ、君を待ってる。」
携帯を切ると、湯川の視線はすぐパソコンの方へ移った。モニターでは地形図みたい映像が映されて、その真ん中に赤い点が光ってる。画面を見つめながら、楽しそうな笑顔が浮んできた。
距離は125キロ、着けるのはおよそ2時間40分後。確かな数字が分かると、安心感が満ち溢れている。暫く待つと、赤い点がゆっくりと動き始めた。それを見て湯川も席を外し、生徒たちが実験してる2階へ上った。草薙が尋ねて来るのは、そんなに頻繁ではなかった。月一回もない程度だ。昔なら難事件があったらよくここへ助けを求めてきたが、いまその役はもうあの内海という女性刑事に回った。湯川自身がその理由をよく分かっていて、そして誰よりも納得してるつもりだ。刑事と科学者の立場ではなく、ただ友達同士として会う。それは草薙の自分への配慮でもあり、自分の願いでもある。しかし結果的は世の中がよほど平和じゃないと彼はここに現れないこととなった。寂しいというより、アイツの動きが気になってたまらない。いい歳なのに子供みたいな好奇心が湧いてきて、しかもあの会話の後、前ずっと気付かなかった不安の波紋が急に大きくなった。「...かわ先生、最近は何かの実験をなさってますか」生徒の質問に我を返った。眼鏡掛けてる物静かな子だが、休憩時間はモニターの映像を興味津々に見てたところを湯川は思い出した。「え、まぁ...ちょっとした観察かなぁ。」誤魔化すというなら誤魔化すだが、それ以上のことはもちろん答えられない。「見た限り、衛星映像みたいなものですね。」「そうね、空間情報科学センターからもらったデータベースを使ってみようかなと思うね。向こうにとってもいい検証のチャンスだし。」「それなら、私、お手伝いしましょうか。」興味あれば研究の甲斐があり。それは普段学生たちへの教諭だが、今は「しつこいな~」としか思えない。「いえ、結構です。僕個人的な試しだから、君たちの勉強と関係ないことだ。」生徒の納得できない顔を見ない振りをして、湯川はポーカーフェースのままに、ほかの学生のところへ向かった。こんなことをしても何の意味もない。理性主義の自分が誰よりも分かってるつもりだ。どこかの雪山に迷っちゃったとか、犯人に拉致されたとか、居場所がつかめない場合、最先端の科学技術を使って彼を探し出せる。こんな都合のいい話はドラマにしか存在するはずがない。でもこうやって彼の跡を追いつづ、まるでゲームをやってる子供のように、なかなか止められないものだ。彼の家と警察庁の間の繰り返しを見て、地味だなと思いながら、アイツはしっかりと生きてることも実感した。頭脳のいい人でも、運のいい人でもない。正義感強いとは言え、正義のヒーローにはなれない。ただ普通の人間である草薙だが、変人と呼ばれた湯川を現実の世界へと繋がってきた。自分が恐れてるものの正体は...自嘲するつもりだったが、モニターをチラと見る瞬間に思考が空白となった。一時間半の自習が終わろうというのに、あの赤い点がまるで動かなかったか、南アルプスの真ん中にひたすら光っている。落ち着いて思い出せば、今まで仕事のせいで自分との約束を破ったことも少なくなかったが、今の湯川は落ち着けるわけがない。まるで理性も自制も峰や谷の映像に奪われたように、一語と「ちょっと出掛ける」を投げ出して、彼は生徒達の茫然な視線の中から消えてしまったた。(つづく)
我……更新了!
Blog:生活以上・学問未満2009-08-23 22:00:14







